ダンディ男バニーの限界手記

素人ラジオグループ【ダンディ男バニー】が書き残した限界手記(おもにエッセイ)。アナタよりもっとダメな人間が、ここで生きていたようだ。

【季節の変わり目】恒例になりつつある、ブルー。

秋である。

9月末に1週間ほど出張でタイへ行った。

残暑が厳しい日本から、常夏のタイへ行き、帰国したら肌寒い秋になっていた。

 

自律神経が弱い読者ならピンっとくるかもしれない。

今、ボクは絶賛、具合が悪い。

野犬の多さにビックリしたが、タイにはそれを上回る魅力があった。

季節の変わり目というものは、一般的にも自律神経に対して影響のあるものとされているが、ボクは特別「秋」に弱い。

 

 

まずは肌寒さ。

シンプルに寒いのが苦手だ。特に寝ている時に寒いことが、ストレスで仕方がない。

肩と首の付け根が気温以上に冷える感覚に襲われ、気がつくと頭が重く痛く、働かなくなる。

四六時中、片頭痛のような感覚と眩暈に悩まされる。

1年前から頭痛外来に通院していて、ここ半年ほどは調子が良かったのに、秋になったらやっぱりダメだった。

 

そして、もの悲しさ。

プロ野球のシーズンが終わる。裏を返せば、ポストシーズンに向けて熱が帯びてくるタイミングである。しかしそれは、各球団から引退や戦力外通告のニュースが流れるタイミングでもある。

普段からガッツリと野球観戦をしているわけではないので、戦力外リストには知っている選手もいれば初めて名前を知るような選手もいる。

ボーっと眺めていると、ふと変なことを考えていることがある。

 

「なんでボクは、戦力外ではないのだろう?」

 

もちろんボクは野球選手ではないので、どの球団からも戦力外通告されることはない。

だが、ボクがのうのうと生活している間にも、ボクよりずっと野球の能力が高くて素晴らしい選手が「戦力外通告」を受けている。

青々と茂っていた草木は徐々に枯れ、あれほど鬱陶しいと感じていた蚊も飛ばなくなった。

 

もう治ったとおもったソレが、また顔を出してきた。

 

先日、ボクの友人が東京に遊びへ来た。

友人もボクと同じような特性というか病の持主で、彼もまた具合を崩していた。

 

そんな彼と再会したとき、なんて声をかけてあげればよかったのか分からなかったし、いまも分からない。

「元気出せよ」

「しっかりしろよ」

「甘えるなよ」

「頑張ったね、偉いね」

どれも言いたくなかった。

逆に言えば、どれも言われたくなかった。

 

彼に対して、「生きててよかった」と腹の中で呟くことが精いっぱいだった。

 

秋のもの悲しさが風情だという文化がある。

それに異論はない。

秋という季節から受け取るインスピレーションのようなものを、素人ながら感じたりしている。

もっとも久しぶりにブログへログインできたのも、それが大きいだろう。

 

だけど秋のもの悲しさは、刃物のように胸を刺し、鈍器のように頭を叩いてくる。

どうかみんな、無理をしないで欲しい。

 

そしてまた会う日まで。

会えた時にはそっと呟いてほしい。

「生きててよかった」って。

 

(おしまい)

 

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(文責:乳豚

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